日本速読協会に入会してから、5年が経ちました。その間、熱心にトレーニングした時期もあれば、あまり熱心でなかった時期もあります。ですから速読検定3級は頂いたものの2級まではなかなかといったところです。
トレーニングで一番大切なことと言えば、休まずに続けることだと思います。当たり前のことですが、これがなかなか出来ません。そこでどうすればトレーニングを続けられるか私なりに考え、トレーニングした内容を記録に残すことにしました。
以前は大学ノートにトレーニングした日だけメモしていたのですが、今年より専用のスケジュール帳を作成し、記録しています。記録することでトレーニングの成果が分かりますのではげみになります。また、スケジュール帳のように日付が主体になったノートに記録すれば、その日に何をやったかが明確に分かります。さぼれば空欄が目立ちますのでやる気が出ます。このノートのおかげで今のところ何とかトレーニングを続けています。
コンピューターを使用する仕事をしてきましたので、どうしても疲れ目になりやすかったのですが、速読を始めてから目の負担が減り、楽になりました。文字に対する精神的抵抗がなくなり、マニュアルなども気軽に目を通せるようになりました。
速読のトレーニングを続けることで単に本を速く読むだけではなく、視野が変わってきたような気がします。それは文字通り目が見えやすくなったこともありますが、以前より理解力が増し、心の視野も広がっているように感じます。
1分間に十万字はおろか三万字にも遠い私ですが、これからもトレーニングを続けることで「視野」を広げていきたいと思います。
先日、洋画を見ていてふと気がついた。私は字幕を読んでから英語の台詞を聞いているのだと。「英語が判る友人と映画を見ると、笑うタイミングがずれる。友人は英語を聞いてすぐに笑うのが、私は字幕を読んでから笑うので遅くなる」と言うような話を、何かで読んだ事がある。だから、自分が字幕を先に読んでいる事に対して不思議に思った。そしてようやく「私は速読トレーニングをしているから読むのが速い」と言う事に気がついた。 以外に思われるかもしれないが、私は自分が速読が出来ると思った事はない。確かに入会当初よりは、本読み速度は速くなった。書き出しの単語数も増えた。だが、本を読む時以外ではあまり実感が湧かなかった。
入会当初は、速読によりある日突然、劇的に理解力や記憶力が変るようなイメージを持っていた。だけど、そうそう「劇的」な事は起こらない。 だから自分が速読できると言う実感がなかったのだ。 でも、改めて考えてみると視野は変ってきている。変化を計るものさしがないので、はっきりとは判らなかっただけである。
人はどうしても、これができない、あれができないと「できないこと」ばかり探してしまう。速読で言えば「本読み速度が伸びない」、「時間が無いから、思うようにトレーニングできない」などなど。だが、少しでもトレーニングすれば「始めは何百字しか読めなかったのに今は2000字を超えた」とか「就寝前に10分だけトレーニングする」とか「できること」はきっとあるはず。「できないこと」を探す暇があるのなら「できること」を探した方がずっと楽しい。そんな当たり前の事にやっと気がついた。