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講師 井田 彰

<北海道のFM局からのご質問に回答>


質問:読書の秋、小中学生が読書感想文や宿題の追い込みに身につけておきたい速読方法を教えてください…。

●日本速読協会は、普段どのようなことを行っているのでしょうか?

東京・大阪で「一日集中講座」を開催しています。 また全国各地で開催されている「認定インストラクター」によるカルチャーセンターなどでの講座、そのカリキュラム作成やサポートです。 また、全国の速読トレーニングをしている方からのご質問などにもお答えしています。

●井田さんは、速読をはじめて何年経つのでしょうか?

私は、1984年の日本速読協会の発足当初からのスタッフなので、35年を超えました。

●速読の読み方(速読方法)について簡単に教えてください。 ●読書と速読の違いについて教えてください。

普通の読み方は、文章を一文字一文字、目で追いながら頭の中で音=声に変える「黙読」です。 この1文字づつ読み上げるという物理的な問題があるので読書速度は一定の範囲内の速度に 収まります。 子供の場合は300字くらいまで、大人の場合でも個人差はあっても400字からその倍を こえることはほとんどありません。 速読では、この1文字づつではなく文章の文字ブロック=横書きなら横1行の半分くらい 縦書きなら縦1行の3分の1くらいのブロック単位で読みきることができるようにトレーニングします。

文字ブロックで読むというのは、具体的にはたとえば「札幌TV塔」というように漢字とローマ字の 5文字で頭の中にイメージしてください。 これはイメージできると読むと言うより5文字全体として、わかる、と言えますよね。 自動車を運転中の交通標識や地下鉄・バスの行き先表示を思い出してください。 「左折方向北海道庁」みたいなのです。これは頭の中で読んでいると事故になりますね。 つまり、1回だけ1ブロックだけなら日常、誰でもできています。 その先に「速読」があります。

けれど、速読は超能力ではありませんから、読めない漢字は調べなければわかりませんからね。

●速読は誰にでもできることなのでしょうか?

誰にでも出来ます。 しかし、どれくらいできたらよいのか? どれくらいの期間で? という問題もあります。 日本速読協会の「速読検定」5級(2000文字/分)=通常の4~5倍くらいは、数ヶ月でOKです。

●パソコンでも同じことが言えると思うんです、最近の小中学生は、パソコンでの宿題も あると思います。パソコンを使った場合の速読方法がありましたら教えてください。

最初に良い姿勢で、パソコン画面に向きましょう。具体的には、特に首筋と背筋を伸ばし、まっすぐ に画面に向いたした姿勢から目線を下45度くらいにすると見やすく疲れません。 この姿勢はデスクトップよりもノート型のほうが向いています。 次に読む視点を読む速度にあわせて移動させるのではなく、パソコン画面の横書き文章の真ん中 よりも、少し左、少し右、少し左、少し右、というように文章のブロック単位の移動にするようにします。 また、文章を2・3行くらいづつ縦にスクロールさせると上下方向にも無駄のない読み方=視点移動 ができますから、本よりパソコン画面のほうが読みやすいと感じるかもしれません。

●速読のとき、右脳と左脳の働きはどのようになっているのでしょうか?

脳の働きとしては、文字情報は左脳、イメージなどの情報は右脳です。 これ自体は普通の読み方も速読のときも変わりません。 しかし、文章を読んだときの内容=意味は、具体的なイメージにあるのですね。 つまり右脳と左脳のコミュニケーションがよくないと速読しても理解度が落ちることになります。 この両方のコミュニケーションのためのトレーニングが速読トレーニングにはたくさんあります。

●日頃からやっておくと速読が身につくトレーニング方法を教えてください。

速読には本来の基本的トレーニングのメニューがありますから、日常的なことで身につくとまでは いえませんし、きょうはその基本トレまでは説明できません。 そこで、日ごろ書籍を読むときに文章の内容をできるだけ具体的にイメージしながら読むことを おすすめします。 お子さんの場合は、読解力の向上につながります。

小学生の5・6年~中学生以上なら朝の新聞コラム速読作戦がよいでしょう。 道新なら第1面の一番下にある「卓上四季」、600文字程度ですから短時間でトレーニングできます。 普通の読み方でもよいのでできるかぎり速く読みながら意味するところの文章全体のイメージを取ります。 読書速度は、コラム600文字を子供さんは1分30秒以内、大人は40秒以内の目標でしょうか。 読み終えたら、必ず今日のコラムの最も重要なキーワードは、これね・・・(たとえば地球温暖化)と言った感じで決められるようにします。

地下鉄などで通勤通学する方は、中吊り広告イメトレ作戦です。 中吊りなどのポスターを読むのではなくポスター全体として5~10秒間、ひたすら視ます。 頭の中にポスター全体の具体的イメージができるぞ、という気持ちで視ます。 その後、少しの時間、目を閉じてイメージできているものを想い起こすのです。 電車などに乗ったときいつも作戦を実行するようにしましょう。 必ず、記憶力の向上につながります。

●最後にこれから速読を始めようという方にアドバイスがありましたらお願いします。

速読は、何かを身につけたい、勉強したいという時の基礎となる能力を開発できるといえます。 これはトレーニングすることで達成するものですから、地道な継続が必要です。 宣伝になりますが、日本速読協会は書籍を出版していますので、まずそれらをお勧めします。 ホームページに掲載してある「新書1冊を15分で読む技術・・スーパー速読1週間」「横書きを読む・・スーパー速読1週間」(ともに祥伝社、760円)は、井田が書きました。


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