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会員講師からの一言


速読講座で受講者から必ずでてくる質問がある、「速く読むと何が書いてあるか分からない」。理解できないことが不安となり速読法で読むことを遠ざけているように思う。記号トレーニングなどでは、それなりの速度で進むのであるが実際の文章のトレーニングになると速度が上がらない現実である。

そこで理解について少し考えてみましょう。速読法で文章を読んで理解できる程度は、普段の読書の理解度を越えることはありません。このことは普段の読書で理解できないことは、速読法による読書でも理解できないことを意味します。普段、文章に親しむ習慣のない人が速読トレーニングをして本が読めたと錯覚されても困ります。

文章を読んで「分かる」ことには二つの意味があります。ひとつは「文字を読める、文章を読むことができる」です。日本語で書かれた文章であれば読むことができます。

もうひとつは「言葉の意味が分かる、文章の意味するところが分かる」です。読者にその文章を理解する能力が備わっていない場合は分からないのです。

理解は後回しにして、とにかく書いてある文章が必要であれば丸暗記する以外ありません。

速読法は文章の丸暗記を目的にしていません。丸暗記でないということは、文章の理解のところで読者の想いが入ります。想いとは心の中身です、現在までに体験したことや勉強して積み重ねてきたことです。その人の性格や感性といったたぐいも影響します。

「速く読むと理解した実感が湧かない」という意見もありますが、ようするに想起が出来ないからです。しかしながら目では見ているはずです。「普通にゆっくり読んでいる」ときは、頭の中でイメージし感情が動いています。入力と一緒に出力をして復習しているようなものです。ところが速読をすると読むこと(見ること)のみで、イメージや感情が付いて来ないと思ってしまいます。確かに文章の一部分に限って考えれば、そのように言えると思います。しかしブロックで読む(見る)ことの意味は、全体像を掴み文章全体の要旨を見つけることです。全体像のイメージから単語を想起し関連することがらを連想するのです。普通の読み方が部分部分で入力から出力までを繰り返している方法であり、速読は入力、想起、出力の工程を別々に行う方法と言えると思います。

従って速読法を習得することで処理能力の向上は期待できますが、理解の深さの向上は期待できません。しかし速読トレーニングを続けることで、本を読む力、理解する力が向上することも考えられます。普段と違う脳の使い方は脳を活性化すると考えられます。脳の活性化は予想にしない能力を開花させることがあります。また脳の活性化はボケ防止に役立つと考えられます。

速読法で重要なポイントは想起して書き出すトレーニングです。「理解の実感が無い」ことの一番のネックは想起して出力する力が不充分だからです。視点を定めて、集中して見ているのであれば目からの情報は脳へ届いています。

必要としない能力は育たないと言われます。自分は速読の能力が必要だと心に想うことです。あくまでも、その人間の能力を伸ばすのは自分以外のなにものでもありません。速読が楽しくなるところまで継続してトレーニングを続けましょう。


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